音楽堂ヒストリー

八ヶ岳高原音楽堂の誕生の契機となったのは、1974年八ヶ岳高原ヒュッテの前庭で行われた“八ヶ岳高原レコードコンサート”でした。“八ヶ岳高原海の口自然郷”、この別荘地にはもともと音楽好きなオーナーが多く、互いに持ち寄った自慢のレコードによる鑑賞会が開かれていました。 翌年には「大自然の中で生の演奏を」との声が高まり、1975年8月、初めてのサロンコンサートが開かれたのです。以来、国内のトップアーティストはもとより、海外からもリヒテル、アシュケナージなど、そうそうたる音楽家がこの地を訪れました。そして1988年、“八ヶ岳高原音楽堂”が誕生。こけら落しはリヒテル音楽監修の「八ヶ岳高原音楽祭'88」。彼の監修する音楽祭はフランスの「ツール音楽祭」、モスクワの音楽祭「12月の夕べ」についで、世界で3つめのもの。スメタナ弦楽四重奏団やキース・ジャレット、クロノス・カルテットなどのアーティストもこの音楽堂で見事な演奏を披露しています。

別荘オーナーによってひらかれた八ヶ岳高原ヒュッテでのレコード鑑賞会(昭和49年)。自然郷の文化の芽はここから始まりました。 八ヶ岳高原ロッジロビーでのサロンコンサートや山荘でのホームコンサートなど、音楽交流の場はひろがり、1988年(昭和63年)、世界的なピアニスト・スヴャトスラフ・リヒテル氏と日本を代表する作曲家・武満徹氏をアドバイザーとしてむかえ誕生したのが「八ヶ岳高原音楽堂」です。 ※設計 吉村順三設計事務所(建築)

歴代のコンサート

八ヶ岳高原サロンコンサート<第1回(1975年)〜>
八ヶ岳高原音楽祭<第1回(1988年)〜 第12回(1999年)>


1975年

バロック室内楽の夕べ/ハープ独奏の夕べ/古典室内楽の夕べ
出演:アンサンブル・コレギウム・ミカエルム、ヨゼフ・モルナール、イソ弦楽四重奏団 他 (第1回*8月)


1982年

スメタナ弦楽四重奏団と過ごす八ヶ岳高原の2日間(第9回*11月)


1983年

黒沼ユリ子を囲むコンサートと文化フォーラムの夕べ(第11回*7月)


1984年

スヴャトスラフ・リヒテルを150人で聴く八ヶ岳高原の夕べ(第12回*2月)

第12回サロンコンサート


1985年

クリスチャン・ツィメルマン ピアノリサイタル(第16回*5月)
パトリック・ガロワ フルートリサイタル(第17回*6月)


1986年

アルバン・ベルク弦楽四重奏団 演奏会(第19回*2月)
デジュー・ラーンキ ピアノリサイタル(第20回*5月)
リヒテルとソビエト俊才のアーティストたち、室内楽の夕べ
出演:リヒテル、ユーリ・バシュメット(第25回*9月)


1987年

ペーター・シュライヤー 美しき水車小屋の乙女 独唱会(第27回*4月)
ウィンダムヒル 八ヶ岳コンサート(第30回*8月)
ウラディーミル・アシュケナージ ピアノリサイタルの夕べ(第32回*12月)


1988年

ミッシャ・マイスキー チェロリサイタルの夕べ(第33回*3月)
第1回 八ヶ岳高原音楽祭 「三つの時代の調べ」 音楽監修:スヴャトスラフ・リヒテル (9/21〜9/25)
スメタナ弦楽四重奏団 さよならコンサート(第36回*10月)


1989年

キース・ジャレット チェンバロリサイタル イン 八ヶ岳(第37回*1月)
スタニスラフ・ブーニン いまショパンを弾く(第38回*1月)
第2回 八ヶ岳高原音楽祭 「ポピュラー音楽とクラシック音楽の境界を超えて」 音楽監督:武満徹(9/22〜9/24)


1990年

第3回 八ヶ岳高原音楽祭 「高原のモーツァルト没後200年前夜祭」 音楽監督:スヴャトスラフ・リヒテル(9/20〜9/24)


1991年

第4回 八ヶ岳高原音楽祭 「秋のギター」 音楽監督:武満徹(9/20〜9/22)
ユーリ・バシュメット & モスクワソロイスツ 弦楽アンサンブルの夕べ(第54回*11月)


1992年


ダン・タイ・ソン ピアノリサイタル(第58回 6月)
ワディム・レーピン ヴァイオリンリサイタル(第59回*6月)
第5回八ヶ岳高原音楽祭 「音楽のミューズたち」 
音楽監督:スヴャトスラフ・リヒテル(9/19〜9/21)


1993年


ミッシャ・マイスキー 無伴奏チェロリサイタル(第70回*10月)
ポール・クロスリー トーク&コンサート(第67回*7月)
第6回八ヶ岳高原音楽祭 「秋の歌」 音楽監督:武満徹(9/23〜9/25)


1994年

パメラ・フランク ヴァイオリンリサイタル(第74回*6月)
第7回 八ヶ岳高原音楽祭 「祈りと音楽」 音楽監修:スヴャトスラフ・リヒテル(9/22〜9/25)
ジャン=マルク・ルイサダ&マルティーナ・シューカン デュオリサイタル(第79回*11月)


1995年


<狂言公演> 「狂言師 野村万作の世界」(5月) <第1回:以後毎年開催>
第8回 八ヶ岳高原音楽祭 「秋の二重奏(デュエッティ)」 音楽監修:武満徹(9/22〜9/24)


<ナイトキャップコンサート>
武満徹、小林靖宏(coba)、フェビアン・レザ・パネ、続木力、佐藤紀雄ほかその共演者たち
オーフラ・ハーノイ チェロリサイタル(第85回*10月)


1996年

第9回 八ヶ岳高原音楽祭 「武満徹メモリアル・コンサート」 構成:佐藤紀雄(9/14〜9/15)
ボロディン弦楽四重奏団 演奏会(第94回*10月)
チョーリャン・リン&吉野直子 デュオリサイタル(第95回*11月)


1997年

第10回八ヶ岳高原音楽祭 「あなたは空中を歩き、そして星をつかまえる」 音楽監督:猿谷紀郎(9/26〜9/28)
ダニエル・ゲーデ&横山幸雄 デュオリサイタル(第104回*10月)


1998年

アレクサンドル・メルニコフ ピアノリサイタル(第110回*6月)
第11回八ヶ岳高原音楽祭 「古代のひびき 現代のひびき」 音楽監督:田中カレン(9/25〜9/27)


1999年

第12回 八ヶ岳高原音楽祭 「見失った音の秘密」 音楽監督:藤家渓子(10/1〜10/3)
東京クヮルテット 演奏会 (第126回*10月)


2000年

舘野泉ピアノトリオ ピオソラを弾く(第131回*5月)
天満敦子 無伴奏ヴァイオリンリサイタル(第132回*7月)
ジャン=マルク・ルイサダ ピアノリサイタル(第137回*11月)


2001年

千住真理子 ヴァイオリンリサイタル(第140回*2月)
東儀秀樹 雅楽の夕べ(第141回*3月)


2002年

5夜連続公演 ジョイフル・ジョイント・コンサート<小林美恵、長谷川陽子、尾尻雅弘、仲道祐子 他>(8月)
荘村清志&小室等 「武満のうた・こころ」(第159回*9月)
宮本文昭&渡辺香津美 デュオリサイタル(第162回*12月)


2003年

宗次郎 オカリナ ソロ・コンサート 〜風にゆれる木々たちと〜(第169回*6月)
姜建華 二胡リサイタル(第174回*9月)
佐野成宏 テノールリサイタル(第175回*10月)


2004年

山下洋輔 ジャズ・ナイト「室内楽団 八向山」(第182回*4月)
狂言公演 「狂言界の至宝 野村万作の世界」(第10回 10月)
岸田今日子&舘野泉 「音楽と物語の世界」(第190回*11月)


2005年

「武満徹・メモリアル 二夜 」
 <第一夜> 荘村清志 & 高木綾子 ギターとフルートの夕べ(第200回*6月)
 <第二夜> 谷川俊太郎&谷川賢作&続木力 詩と音楽の夕べ(第201回*7月)
「リヒテル・メモリアル」 アレクサンドル・メルニコフ  ピアノリサイタル(第205回*9月)


2006年

coba アコーディオンナイト(第215回*5月)
ピーター・ゼルキン ピアノリサイタル(第221回*9月)
佐藤美枝子 & 池上英樹 ソプラノとマリンバの夕べ(第225回*12月)


2007年

仲道郁代 ピアノリサイタル(第230回*3月)
米良美一 谷川俊太郎を歌う(第237回*9月)
ソノス・ハンドベル・アンサンブル(第241回*12月)


2008年

森麻季 ソプラノリサイタル(第247回*3月)
林光と谷川俊太郎の夕べ ~子供のためのピアノ曲と詩の朗読~(第249回*5月)
音楽堂20周年記念公演 <五夜>
  「音楽と祈り 音楽の歓び」 企画構成:武満眞樹(第259~263回*9月・10月)


終了したコンサート


■* 印は八ヶ岳高原サロンコンサート
■八ヶ岳高原サロンコンサートは、1975年8月から79年8月までは八ヶ岳高原ヒュッテにて、
 1980年8月〜88年8月までは八ヶ岳高原ロッジにて、 1988年9月以降は八ヶ岳高原音楽堂(竣工:1988年9月)で開催されています。