小山実稚恵 ~春、その先へ。

2日目 ベートーヴェン後期三大ソナタ

芸術の高みへ、深淵なる精神性。

“情景と音楽の調和”を求めて季節を巡った「四季」シリーズ、八ヶ岳の森に作曲家たちが過ごした街の情景や心情を重ねた「音楽の旅」シリーズを経て、「〜春、その先へ。」と題した今回。
新緑のカラマツに象徴される高原の新しいシーズンの幕開けに、コンチェルト、クインテット、リサイタルを通じて、音楽とじっくり向き合う2日間。
1日目は、音楽堂での綿密なリハーサルを経て披露されるコンチェルト&クインテットを。共演に国内外で研鑽を積み著しい活躍をみせる若手実力派を迎える。
2日目は、ソロ・リサイタルでベートーヴェン後期三大ソナタを。デビュー40周年を迎える小山実稚恵の進境に触れる。

2025年6月1日(日)
14:30開場 / 15:00開演

※開場時間まで、音楽堂エリアにはお立ち入りいただけません。

【出演】
小山実稚恵(ピアノ)

【プログラム】

ベートーヴェン:

ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 作品109
ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 作品110
ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 作品111

※出演者・曲目・曲順など、内容が変更になる場合がございます。

●小山実稚恵(ピアノ)Michie Koyama

圧倒的存在感をもつ日本を代表するピアニスト。チャイコフスキー国際コンクール、ショパン国際ピアノコンクール入賞以来、常に第一線で活躍し続けている。

協奏曲のレパートリーは60曲を超え、国内外の主要オーケストラや指揮者からの信頼も厚く、数多くの演奏会にソリストとして指名されている。

16年度 芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した『12年間・24回リサイタルシリーズ』(2006年〜17年)や『ベートーヴェン、そして...』(2019年〜21年)が、その演奏と企画性で高く評価された。2022年からはサントリーホール・シリーズ、第Ⅰシーズン Concerto<以心伝心>を25年まで開催している。

これまで共演したオーケストラとして、国内の主要オーケストラはもとより、モスクワ放送響(現チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ)、ベルリン響、ロイヤル・フィル、BBC響、イギリス室内管、ロッテルダム・フィル、シンフォニア・ヴォルソヴィア、ワルシャワ・フィル、モントリオール響、ボルティモア響などが挙げられ、フェドセーエフ、テミルカーノフ、マリナー、小澤征爾といった国際的指揮者と共演している。デュメイ、ギトリス、ブルネロといった名だたるソリストと室内楽で共演する。

ショパン、チャイコフスキー、ロン=ティボー、ミュンヘンなど、国際音楽コンクールの審査員も務める。

また東日本大震災以降は、被災地の学校や公共施設などで演奏を行い、仙台では被災地活動の一環として自ら企画立案し、ゼネラル・プロデューサーを務める『こどもの夢ひろば"ボレロ"』を開催。音楽を通しての心の交流の場、音楽に限らず子供たちが新たな体験をしながら、自分の好きなものを見つけられるような場を創りたいと、情熱を注ぐ。

CDは、ソニー・ミュージックレーベルズと専属契約を結び、33枚をリリース。近作の2つのベートーヴェン・アルバム『ハンマークラヴィーア・ソナタ他』(2020年)と『ピアノ・ソナタ第30、31、32番』(2021年)は、深化するピアニズムが大きな話題を集めた。さらに2023年5月にリリースされた最新CD『モノローグ』まで7作連続して「レコ―ド芸術」特選盤に選ばれる快挙を果たした。

著書として『点と魂とースイートスポットを探して』をKADOKAWAより、また平野昭氏との共著『ベートーヴェンとピアノ』(全2巻)を音楽之友社より出版している。

2005年度 文化庁芸術祭音楽部門大賞、2013年度 東燃ゼネラル音楽賞洋楽部門本賞、2013年度レコード・アカデミー賞(器楽部門『シャコンヌ』)、2015年度 NHK交響楽団「有馬賞」、2015年度 文化庁芸術祭音楽部門優秀賞、2015年度 ミュージック・ペンクラブ音楽賞受賞。2018年度 大阪市市民表彰を受ける。2017年度には、紫綬褒章を受章している。

東京藝術大学、同大学院修了。吉田見知子、田村宏両氏に師事。

主催:八ヶ岳高原ロッジ TEL:0267-98-2131