OWNER’S INTERVIEW
標高1,800mに基地をつくった、トム・ソーヤ。
こちらへは足繁く通われているそうですが?
1人で来る時が月に2回、妻と2人で来る時が2回位です。
それは内科医という仕事上のストレスを癒すためですか?
それも無いわけではありませんが、ずっとやりたいと思っていたことが全部できる場所ができたので、嬉しくて嬉しくて。冬になってもこんなに来る人いないかもしれませんね。
実は、学生の頃からずっとフライフィッシングが趣味で、自然郷の隣の川上村に有名なポイントがあるのでこの辺りにはよく来ていたんです。それで杣添川の上流に別荘地がある事は知っていて「いつかこういう所に住んで釣りができればいいな」とずっと思っていました。
自然郷を選ばれて、どうですか?
美ヶ原、那須、清里なども釣りの山歩きをしながら見て回ったんですが、実際にここに決めた1番大きな理由は「通り抜けができない」ということです。治安の面もありますが、知らない人が来ないから静かなんです。
中でも、標高1,800mに近い1番高い富士見地区を選ばれたのは?
自分の理想は、深い森の中に小さな家がポツンと建っているイメージでしたから、とにかく国有林に面した別荘地の1番外側で、視界に家が入らない場所にしたかったんです。結局、こここの一択しかありませんでした。あとは雪も好きなので、高くて雪の積もる所ということも富士見地区を選んだ理由です。
自然の中で過ごすのが、お好きなんですね。
縦走が好きで、登山するにもここからだと便利ですし。八ヶ岳以外の山にもテントを持って行きますよ。
それでカメラも好きでしょ。だから、竿持って、カメラ持って、テント持ってと全部がつながっているんです。
そう、小さい頃やりたかったことを全部やってます。元々、埼玉の山奥の方で育ちましたから。子供の頃は皆んなで筏を組んで川に漕ぎ出したら、ひっくり返って大騒ぎになったとか、アヒルの卵を取りに行ったとか。泳ぎも川でしたし、釣りもその頃から。
トム・ソーヤのようだったU少年の心は、今も少しも変わっていないのですね。
なぜ、別荘をログハウスにされたのですか?
山の中に建てるなら、ログしかないだろうと思っていました。ただお掃除が大変なので、丸太ではなくフラットなログにしました。
主人は読んでいる雑誌を見れば何をしたがっているのか分かるんです。その時も「夢の丸太小屋」という本を夢中で読んでいて、ああ、これを造りたいんだなと。その後は「北欧デザイン」だったので、家具は北欧。薪ストーブの本もちゃんと読んでいましたよ(笑)。
ログハウスの魅力は、木だけで造られていることですね。建ててもう7、8年経ちますが、まだ木の香りがします。
そう、ここでお洗濯をした物を自宅へ持って帰ると、洗濯物から木の香りがただよってきます。
ログハウスは、一回暖まると木が蓄熱するので、うんと暖かいですね。だから、長くいればいるほど暖かくなって、2日3日いるとどんどん暖かくなります。真冬でもここに来ますから、基礎には蓄熱暖房を入れてあります。
そして、この家の内装は全て、どうしても付けたかったこのリビングの照明ありきで考えて、家具もそれに合わせているんです。
どんな季節がお好きですか?
どの季節も楽しいんですが、私は冬。冬の1番寒い時が好きです。ここを建てる時、11月に木を伐採して工事ができない冬の間にデータロガーで温度を測ってみたら、-20℃位まで下がっていたんです。「これは楽しそうだ」と思いました(笑)。
寒さもうんと寒くなると面白いじゃないですか。サウナからそのまま外へ出ちゃうとか、濡れたタオルが凍っちゃうとか。
奥様はいかがですか?
私は、いつでも楽しいです。冬はベランダで雪ダルマ作ったり、かまくら作ったり(笑)。そうそう、この雪の結晶の写真キレイでしょ?
12月頃、乾燥して冷えた時の降り始めだけ、カラカラの雪になるんです。よく見ると全部違う形の六角形で、二人で「キレイだね」と言って撮影しました。本当に宝石みたいですよね。
このリスの写真、かわいいですね。それもこんなにアップで!
ウチのベランダに鳥やリスが来るんです。よく見るとリスたちは個体差があって、この子は私がミュウミュウと名前をつけました。
フォーサーズに500mmのレンズを付けて、つまり35mm換算で1,000mmのレンズで撮りました。
このキレイな鳥もですか?
私もここへ来て覚えたんですが、これはシメ、これはアカゲラ、それはつがいのウソですね。テンの写真もあるんです。餌台のリンゴがなくなってしまうので、「何だろう?」と赤外線センサー付きのカメラをセットしておいたら写っていました。
こういう写真は別荘がないと難しいですね。長くいればいるほど、チャンスは増えますから。私もいろいろ試してみましたが、結局は窓を開けてリビングから静かに待って撮るのが1番いいですね。
あの整地されている場所に、天体ドームを作られるとか?
家を建ててから気づいたんですが、ここは周りに明かりがなくて真っ暗なので、星がキレイに見えるんです。それで昔、天文少年だったことを思い出しました。早速望遠鏡を買って30年ぶりに天文ガイドを開きながら庭で写真を撮り始めたんですが、やっぱりドームを作りたくなって。ドームはデッキが4.5m四方の開閉式で、テラスからつなげる予定です。年内一杯で完成させたいですね。
雑誌に載っている写真を見ると、大体撮影地が野辺山とか清里なんです。まさにその場所にいるわけですもんね。
ご主人は、薪ストーブで料理もされるとか?
トップ(天板)を使ってジャムとか、煮物とかは作ります。
主人は自宅ではコーヒーも入れないんですが。そもそもここは、主人が全部ご飯を作るからと言って建てた別荘なんです。ですからここには家にないような立派なお鍋が揃っていて、シチューや牛すじのカレー……何でも作ってくれます。
形から入るといいますか、いい物を買っておけば元を取ろうとして頑張りますし、長続きしますよね?それにいい物は使いたいなという気にさせてくれるじゃないですか。そろそろ、芋も焼けたしピザも焼けました。ベランダに出てご一緒にどうですか?