OWNER’S INTERVIEW
ただここで、コーヒーを味わうために。
いいでしょう、この眺め。これに一目惚れしたんです。
杣添地区らしい白樺林の中に建つ別荘を訪れると、リビングの大きな窓から広がる景色を眺めながらT様がおっしゃいました。なるほど、そこに立つと鮮やかな黄色に色づいた白樺林の風景が窓枠に切り取られて、さながら一幅の絵のよう。別荘の土地を探してこの場所に初めて立った時、一瞬で心を奪われたというお話にも合点がいきます。
この窓にはもう一つこだわりがあって、どうしてもカーテンをかけたくなかったんです。それで私がいろいろ探しまわって、この格子戸を見つけて来て、「これをつけてください!」ってお願いしたんです。この家の色は、この建具に合わせて設計士さんがコーディネートしてくださいました。シンプルでシックな外観の形や色も、「近くに来ないと気付かないくらい、森に馴染んだ家がいい」と思ってお願いしたんです。
大好きな風景をいつまでも、というのが私たちの願いでした。というのは、その森の途中から先は隣の区画なんです。でも、巡り合わせでその場所も手に入れることができました。そうして広くなった敷地の中には小川も流れているので、ぐるっと散歩ができるようにこれから自分たち用の散策ルートを作ろうと計画しています。
居ながらにして森林浴ができますね。
はい、タローも私も早くお散歩をしたいと楽しみにしています。でも、いつできるのかしらね(笑)?
別荘を建てられる前、自然郷で結婚式をあげられたそうですね?
はい、二人が「結婚式をあげよう」って決めた時、パっと情報誌を開いたらここのページだったんです。それまで私は八ヶ岳に来たことがなかったんですが、主人は山に登ったりスキーをするので知っていて「いいところだよ」って。見学に来てみたら「本当に自然が豊かでいいところだなぁ」と。
実は私、雪のクリスマス・イブに生まれたんですが、1月23日の結婚式でも、音楽堂での挙式を終えヒュッテでの披露宴の最中に雪が降ってきたんです。「私らしいね」と兄がスピーチしてくれました。その後6、7年、結婚記念日は毎年ロッジで過ごしました。
すると、八ヶ岳に来るのは冬ばかり?
私たちは冬がスタンダードですから(笑)。
やっぱり冬が好きですね、静かですし。
結婚されて6、7年は、ということは、その後ブランクがあったんですか?
犬を飼うようになって、ロッジには泊まれないので来れなくなってしまいました。私自身もアウトドアは好きなのでしばらくはキャンプに行っていたんですが、だんだんテントを張るのが億劫になって。「別荘だったらタローとも一緒にいられるし」と別荘を探しはじめました。そこで、この景色に出会っちゃったんです。
自然郷は、自然が豊かということと、人がいなくて静かなのがいいです。ゆくゆくは永住を考えているので、管理がしっかりしていることや、ホテルやドクターヘリのヘリポートがあることも安心です。
この別荘ではどんな時の過ごし方をされていますか?
月に1回くらいのペースで来ていますが、やっぱりもっと来たくなりますね。でもこちらで何をするかといえば、昔のようにクロスカントリースキーや登山をしに来るということではなく、この本当に何もない所で、ただ何もしないで過ごしている感じです。自然の中で過ごすのが好きなので、アウトドア用の小さなガスバーナーを持って、美鈴池の畔でお湯を沸かしてコーヒー飲んで帰って来るとか。Vacationという言葉は元々、何もない(Vacant)から来ているわけですから、何かイベントを入れちゃいけないんだと個人的には思っています。
夫が仕事で先に帰った時は、私一人で、タロー(愛犬)の散歩だけして、あとはずっとこの堀リビングで本を読んでいます。ここに座ると、ちょうど目の前に暖炉の炎が見えて、その向こうに風景が見える。私のお気に入りの場所です。
ふと、リビングに漂いはじめた薪の燃えるほのかな香りに気づくと、ご主人が手際よく暖炉に火を入れてくださったところ。
この4月に別荘を建てられて、まだ冬を過ごされていないのにお上手ですね。
ここは高い場所なので真夏以外の夜は冷えるんです。それで、夜ここに着くと少しだけ暖炉に火を入れるんです。すぐ家全体が暖かくなって、あとはずっとそのまま。だからもうだいぶ慣れましたよ。
いよいよ秋、そして冬ももう目の前。八ヶ岳は冬が1番と皆さんおっしゃいますね。
本当に冬をここで過ごすのが楽しみです!