自由なプランニングが可能な“無垢”の家

地元のカラマツから作られたCLTによる木製モノコック(外殻に強度をもたせた構造)のヒュッテです。

CLTとは、Cross Laminated Timberの略称で、縦横に貼り合わせた木の板を直行するように接着した分厚い板のこと。日本では2016年から一般利用されるようになりました。小径木も端材も使え、国内材の有効利用という意味でも期待されています。

おもしろいのは、この素材がスニーカーのようなラフさとネット時代ならではの先進性、ブロックのような拡張性を合わせ持っていることです。
コンピューターで指示することによって工場で精密な加工ができる一方、現場加工も可能。接着剤を使わないドライジョイントで組み立てられ、解体や再利用もできます。このため、工場加工したCLT板を現場でくみ上げるだけで、構造・断熱・仕上げなどといった主要な工事が一息で完成してしまいます。
日本ではまだ材価が高いのですが、欧米並みになれば、外車一台程度のコストで住宅を購入できることになります。

丈夫で長持ち、カスタマイズも可能。このCLTの特徴をシンプルに生かしたのがこのヒュッテです。
長さ方向に壁を二枚立て、三角の屋根をかけ、短辺を開口部とする。それを二棟組み合わせています。ロフトや間仕切りを自由につくれ、拡張も可能です。
木は建築材料の中で唯一の生き物である素材です。地元の木でつくられたこのヒュッテは、地域の有機体のサイクルにこの建築を取り入れることで、生きている世界の内側に社会を再度位置付けようとする、ロマンティックで現実的な試みなのです。

配置の例(小丸地区K-300-3、4を想定)
室内イメージ図

平面図/建築面積:76.89㎡(23.26坪)、延床面積:85.44㎡(25.84坪)

1階床面積:62.59㎡(18.93坪)
2階床面積:22.85㎡(6.91坪)
拡張イメージ