リゾートホテル 八ヶ岳高原ロッジ

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エンドピンから振動が伝わり、ホール全体が楽器のように響く、チェロの魅力

特集 豊潤であたたかい木の共鳴 チェロを味わう3公演

ホールは楽器の一部だとよく言われるが、チェロはそれを特に実感できる楽器だろう。床に立てられたエンドピンから振動が伝わり、ステージ、そしてホール全体が楽器と一体化し、ともに豊かな音をつくる。木のぬくもりある深い響きが特徴の八ヶ岳高原音楽堂は、そんなチェロを味わうにはぴったりの場所だ。
そしてこの初夏の季節、若手からベテランまで、確かな実力を持つ三人のチェリストがステージに立つ。

まず6月11日に登場するのは、日本チェロ界のホープ、宮田大。日本音楽コンクールやロストロポーヴィチ国際チェロコンクール優勝に加え、出光音楽賞やホテルオークラ音楽賞など輝かしい賞を次々受賞。経歴だけ見ても、今大きな期待を寄せられている俊英だということがわかる。最近は、5月に「徹子の部屋」へ出演したことで話題となったばかり。
そんな宮田が今回取り上げるのは、ヴィヴァルディ、サン=サーンス、プロコフィエフのチェロ・ソナタ。バロック、ロマン派、近現代という3世紀にわたる期間に書かれた作品を、時代を追いながら演奏してゆくという内容だ。時代も国籍も異なる3人の作曲家がチェロに託した響きの違いを、宮田がその卓越した表現力で描き分けてくれることだろう。

続く6月18日には、カナダ生まれのチェリスト、ジャン=ギアン・ケラスが八ヶ岳高原音楽堂に初登場。チェロ作品の金字塔、J.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲」を演奏する。
幅広いレパートリーを持つケラスだが、なかでも2007年にリリースしたバッハの「無伴奏チェロ組曲」全曲録音は高い評価を受けている。今や彼の活動の中心的なレパートリーとなっているこの作品。八ヶ岳の大自然がインスピレーションとなって、普段とはまた一味違った演奏を聴かせてくれるに違いない。
ステージ上たった1挺のチェロが、六角形の美しいホールの中で生み出す、バッハの壮大な宇宙。ケラスのしなやかでハリのある音が紡ぐ無伴奏の世界は、一度体感する価値がある。

そして、7月2日に登場するのは、ベテランチェリストの堤剛。カザルス国際コンクール優勝などを経て世界で活躍した、日本を代表する音楽家だ。ベートーヴェンの「《マカベウスのユダ》の主題による12の変奏曲」や、フランク、R.シュトラウスのチェロ・ソナタなどで熟練の技巧と表現力を披露する。
ピアノは、2010年ジュネーヴ国際コンクールに日本人として初めて優勝して話題となった萩原麻未。ソリストとしても活躍する彼女だが、近年室内楽の活動にも情熱を注いでいるので、巨匠と息の合った掛け合いを見せてくれることだろう。

偶然にチェロ公演が続くが、日本からは各世代を代表する実力派、そして海外からはバッハの無伴奏の名手という、実に豪華な顔ぶれが揃った。プログラムも、名手ならではの聴きごたえある内容ばかり。いずれも、八ヶ岳高原音楽堂という親密な規模の空間で聴くことができるのは贅沢な公演だ。
奏者が抱くチェロと木のぬくもりあるホールが織りなす、豊潤であたたかい響き。お聴き逃しなく!

文/音楽ライター・ 高坂はる香

●2016年6月11日(土)宮田 大 チェロ・リサイタル
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●2016年6月18日(土)ジャン=ギアン・ケラス 無伴奏チェロ・リサイタル
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●2016年7月2日(土)堤 剛&萩原麻未 デュオ・リサイタル
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