エリソ・ヴィルサラーゼ

ピアノ・リサイタル

ネイガウス、リヒテルに連なる
偉大な系譜。

2024年6月8日(土)
14:30開場 / 15:00開演

※開場時間まで、音楽堂エリアにはお立ち入りいただけません。

32年ぶりの八ヶ岳で蘇る、巨匠リヒテルの影

G. ネイガウスやザークら名教師に学んだロシアン・ピアニズムの継承者として名高い、エリソ・ヴィルサラーゼ。八ヶ岳高原音楽堂ゆかりの巨匠、リヒテルから才能を絶賛され、親交を結んだピアニストとしても知られる。10歳の頃、故郷トリビシでリヒテルの演奏を聴いた彼女は強いショックを受け、以後さまざまな影響を受けたそうだ。

そのヴィルサラーゼが、リヒテルが音楽監督を務めた鵜八ヶ岳高原音楽祭への出演以来、32年ぶりに音楽堂に戻ってくる。

現在81歳、今や当時のリヒテルの年齢を越えるベテランとなった。しかしキレの良いテクニックは健在で、作品を包みこむような成熟した表現を聴かせてくれる。今回はシューベルト、ブラームス、リスト、プロコフィエフというパワーと歌心が求められる作品で本領を発揮する。

「グローバル化が進んだ今、何がロシアン・ピアニズムかを定義するのは難しい。しかし自身の音楽を育んだ旧ソ連のメソッドで一番重んじられたのは “歌う音” だった。ピアニストがすべきことは、歌う楽器の無限の可能性を引き出し、作曲家の想い、心情、魂を伝えること」だとヴィルサラーゼは話す。

自然に囲まれた懐かしい場所で、作曲家に魂だけでなく、リヒテルの影も蘇る演奏に出会えるかもしれない。

高坂はる香(音楽ライター)

【プログラム】
シューベルト:6つの楽興の時 D780 作品94
ブラームス:ピアノ・ソナタ第1番 ハ長調 作品1
リスト:コンソレーション(慰め)第3番 変ニ長調
   :3つの演奏会用練習曲 S.144より 第1番「悲しみ」 変イ長調
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 作品83

※出演者・曲目・曲順など、内容が変更になる場合がございます。

●エリソ・ヴィルサラーゼ(ピアノ)Elisso Virsaladze

グルジア(現ジョージア)の首都ティフリス(トビリシ)生まれ。
代々グルジアの芸術文化に深いかかわりを持つ家系に生まれ育つ。
ピアノの手ほどきを、祖母のアナスターシャ・ヴィルサラーゼ教授から受けた後、モスクワへ移り、ゲンリフ・ネイガウスおよびヤコフ・ザークに師事。
20歳で、チャイコフスキー・コンクール3位入賞を果たし、24歳の時にシューマン国際コンクールで優勝。
モーツァルト、ベートーヴェン、ショパンなど、18世紀および19世紀後期の作品に対し深い愛着を持ち、とりわけシューマンの作品の最も優れた解釈を行う現代の演奏家のひとりとして、高い評価を得ている。また、現代の作曲家を含む、ロシア音楽の幅広いレパートリーを持ち、旧ソ連の権威ある芸術賞を多数受賞している。
ヨーロッパの主要音楽都市にて定期的にリサイタルを行うほか、ナタリア・グートマンとのデュオ・リサイタルも各地で展開している。室内楽およびサンクトペテルブルグ・フィル、ロイヤル・フィル等のオーケストラとの共演では、北米、日本、ヨーロッパで大規模なツアーを行う他、各地の一流オーケストラと定期的に共演している。
今までにルドルフ・バルシャイ、キリル・コンドラシン、リッカルド・ムーティ、クルト・ザンデルリング、ヴォルフガング・サヴァリッシュ、エフゲニー・スヴェトラーノフ、ユーリー・テミルカーノフなど、多くの著名指揮者と共演。
2017-18シーズンはミラノ、パリ、モスクワなどにおけるリサイタル、室内楽活動とともに、ロンドンのフィルハーモニア管、サンクト・フィルなどとの共演が予定されている。
優れた教育者としても知られており、モスクワ音楽院およびミュンヘン音楽大学の常任教授を務めるほか、主要な国際音楽コンクールの審査員にしばしば招かれている。

https://www.japanarts.co.jp/artist/ElissoVIRSALADZE/

主催:八ヶ岳高原ロッジ TEL:0267-98-2131